虫も、木も、空も待つ春

春を待つ木々の姿
太陽の光を浴び、その熱を吸収した幹から根にその熱が伝わり、ジワジワと木の根の周りの雪を溶かしていきます。
今日は只見町観光まちづくり協会のサカイとYokoyamaの二人で、只見町のお隣にある南会津町(旧南郷村、旧伊南村、旧舘岩村、旧田島町が合併)で行われた森林セラピー研修に参加してきました
遠出したくなるようないいお天気の中、南会津町にある、御蔵入の里 うさぎの森キャンプ場を会場に、冬の森林浴を体験しました。ここは、キャンプはもちろん、奥会津博物館があったり、山王茶屋http://www.yamahaku.jp/blog/h21424.htmlという郷土料理を提供するお店があったり、藍染め体験などもできる場所です。山王茶屋さんなどは茅葺きの民家なので、昔ながらの雰囲気たっぷりの場所ですよ
まずは、準備ということで、晩冬に堅くなった雪の上を歩く道具として、昔から使われているかんじきを履きました。
昔ながらのかんじき
最近ではスノーシューというオシャレな道具が普及していますが、作業をする人にとってはまだまだ現役のかんじき。恥ずかしながら初体験でした。最初は結び方も分からず、歩き方も宇宙遊泳[emoji:e-15]のようでしたが、そのうちに解けた紐を結び直して、講師の言葉に耳を傾けるうちにスムーズに歩けるようになりました。 
その森林浴の間、冬の森を歩いて、春を待つ木々や虫たちを見つけながら、身近にある風景の中で見落としていたような、小さな春の兆しを見つけました。只見に住んでいると、大きな景色が少しずつ変わっていくのには敏感ですが、木1本でも着実に春への準備をしていることを改めて感じることができ、ハッとさせられました。
芽吹き前の冬木
葉っぱの落ちた木と冬の澄んだ空を見ているだけで、気持ちが落ち着いて、時間が止まっているような気がするから不思議です。
雪に落ちる冬木の影
これも冬にしか見られない木と雪のコラボレーション。ありのままの木の姿を映し出す雪が乱反射していて、やわらかく伸びる影にも、冬の終わりを感じます。
セッケイカワゲラ
冬には虫がいない、と思っていましたが、雪の上を歩くごくごく小さな虫を発見!大きさは1cmあるかないか。セッケイカワゲラという虫で、羽根もないため、雪の上を川の上流に向かってひたすら歩いていくのだそうです。雪に含まれる花粉や藻(もちろん目には見えませんが)をエサにしているそうです。寒さには強く、熱には弱い虫で人の手で温めてしまったら、死んでしまうとか。
私たちが歩いていたら、死んだふりをしてみせたりもする、賢い虫です。春に川で卵を産み、その生涯を終えるということです。
スギの花
まわりにこんなにスギが植えられているというのに、花をよーく観察したことのなかったため、スギの花に興味津々!
花粉症の人は絶対に近づきたくない、花粉を飛ばす前の姿です。自然が作り出す様々な形や色は、ほんとうに不思議です。
車で移動することの多い只見での暮らしでは、季節の変わり目を見落としているのかもしれません。
雪のあるうちに、今度は只見の林や森で歩いてみようと思います。
ちなみに、かんじきは只見や南会津のお店では簡単に手に入ります。スノーシューよりも手軽で、コンパクトな点も、
さすが昔からの道具って感じがします。春までのもう少しの間、只見に来たら、ちょっと挑戦してみてもいいかもしれません。


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